米ネットワーク・ニュース視聴者数が100万人減

米ネットワーク・ニュース番組からの視聴者離れがとまらない。米調査会社ニールセンがこのほど発表したところによると、3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)が夕方6時半から全国向けに放送する“イブニング・ニュース”の今年4-6月期における総視聴者数が100万人以上も減少したことが明らかになった。3大ネットワークの各番組がそろって昨年同期の視聴者数を割り込んだ。


ネットワーク別の視聴者数を見ると、視聴率ナンバーワンのNBC「Nightly News with Brian Williams」(写真・中央)の同期平均視聴者数は前年同期比44万人減となる762万人。続いてABCの「World News with Diane Sawyer」(写真・右)が同26万人減となる699万人。これにCBSの「CBS Evening News with Katie Couric」(写真・左)が同34万人減521万人と続いている。広告主が報道番組で重視する視聴者層(25~54才)の視聴者数は、それぞれNBC226万人、ABC198万人、CBS160万人だった。ニュース関連サイト「MediaBistro」は、「南部ルイジアナ州沖で起きた原油流出事故が連日のように伝えられており、市民の関心がきわめて高いにもかかわらず番組視聴率が下がっている」と、指摘している。


一方、市民の報道機関に対する信頼度も下がっている。米世論調査会社「ピュー・リサーチ・センター」がこのほど発表した調査結果によれば、「報道機関が物事を正しく伝えている」と考える米市民はわずか29%。1985年の55%から急落している。業界内には、「最近、ニュースを伝える人が多すぎる。市民にとって、どの声を信じていいのか、そして彼らがどのような取材やニュース源をもとに伝えているのか疑問を感じているのではないか」(ブランド・コンサルタント、ジュディー・シャピロ氏)などと指摘する向きもある。インターネット上で配信されるニュース、さらにはブログやツイッターなど膨大に増えた情報源に、「便利になったと」感じる一方、「どれを信じていいかわからない」などと迷っている市民も少なくないようだ。