米ネットワークTV視聴者が高齢化


米地上波ネットワークテレビ5社(ABC、CBS、Fox、NBC、CW)の視聴者年齢の中央値が初めて50歳になった。米調査会社「マグナ・グローブ・ワールドワイド」が5月末に終了した2007-08年シーズンの視聴状況をまとめた中で明らかになった。それによると、もともと高齢者の視聴者が多く、「シルバー・ネットワーク」などと呼ばれることがあるCBSの視聴者の年齢中央値が54歳と一番高かった。ただ、CBSにつられる形でABCが50歳、NBCが49歳などと他ネットワークの年齢中央値も高くなり、結局5社全体の中央値が米国の広告主がターゲットにしている視聴者層18~49歳の上限を超える結果となってしまった。
業界誌「バラエティー」などは、「ネットワーク経営陣は、インターネットなどの普及で進む視聴者のテレビ離れ対策に追われているが、新たな難問が加わったことになる」などと一斉に論評している。

ただ、番組をDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)などと呼ばれるHDD内臓のレコーダーで収録し、放送後7日以内に視聴した視聴者を加えるとそれぞれの年齢中央値が、CBS-53歳、ABC-49歳、NBC-48歳、Fox-43歳、CW-34歳と下がり、全体の中央値も49歳になることが分かった。しかし、DVR利用者の多くがCM飛ばし常習者であることから、ネットワークは複雑な心境で調査結果を捉えている。

ちなみに、5大ネットワークの番組中、視聴者年齢中央値が一番若かった番組はCWの若者向けドラマ「One Tree Hill」で26歳。同番組は南部の州に位置する高校のバスケットボール・チームが舞台。逆に一番高齢だったのがCBSの報道番組「60ミニッツ」だった。