米ブロードバンド速度は世界28位

全米津々浦々に行き渡るブロードバンド普及は、オバマ政権の重要課題の一つ。米連邦通信委員会(FCC)の新委員長に就任したジェナコウスキー委員長も大統領の意向を受け、ブロードバンド普及計画に取り組んでいる。目下、公聴会や研修会などを開き、最適なブロードバンド展開方法などを模索している最中だ。そんな中、全米通信労働組合(CWA)はこのほど、全国におけるブロードバンド・サービスのダウンロード速度のランキングなどを発表した。


それによると最もスピードの遅い州に挙げられたのはアラスカ州。平均ダウンロード速度は2.3メガビッド/秒(Mbps)だった。同州につづき、モンタナ州(2.3mpbs)、ワイオミング州(2.6mbps)、アイダホ州(2.6mbps)、ハワイ州(3.0mbps)がワースト5に挙げられている。


一方、速度の速い州には、デラウェア州(9.9mbps)、ロードアイランド州(9.8mbps)、ニュージャージー州(8.9mbps)、マサチューセッツ州(8.7mbps)、ニューヨーク州(8.4mbps)などが挙げられており、東海岸の住民が高速・大容量通信の恩恵に蒙っていることが明らかになった。


CWAによれば、全国平均スピードは5.1mbps。世界最速のブロードバンドを利用している韓国(20.4mbps)、日本(15.8bmps)、スウェーデン(12.8bmps)などに大きく水をあけられており、世界28位と、屈辱的(業界関係者)な地位に甘んじている。ある映画のダウンロードに韓国では2分ですむものが、米国では2時間かかる見当だという。


CWAのラリー・コーエン会長は、USAトゥデー紙に、「通信社や政府の対応の遅れで、米国内のデジタル格差が放置されてきた。」と懸念を示している。しかし、オバマ政権や連邦議会が打ち出したブロードバンド普及計画については、「雇用拡大やビジネスの成長を助長することにつながる」と期待を寄せている。