米プライムタイムCM料金が15%低下


長期化する景気悪化と視聴率不振が米テレビ番組のCM料金を押し下げている。米調査会社ターゲット・キャストTCMがこのほど発表したところによると、昨年10-12月期に放送されたプライムタイム(午後8~11時)番組の30秒CM平均料金は、前年同期比15%減少となる122133㌦(約1100万円)と、急激な落ち込みを示した。ターゲット・キャスト社の放送部門担当上級副社長ゲーリー・カー氏によれば、年末商戦を含む同期はCM出稿量を増やす企業が多く、CM売り上げが上昇するのが通常。落ち込みは極めて異例だという。

4大ネットワークを個別で見ると、一番の落ち込みを見せたのがCBSで、昨年同期比22%減だった。これにNBCの13%減、ABC10%減、Foxの6%減と続いている。カー氏はプレスリリースの中で、「スキャター・マーケットでのCM売り上げが、この時期顕著になった金融危機の影響で、大打撃を受けたため」と分析している。スキャターは、テレビシーズン開始とほぼ同時に行われるCM販売。米国ではアップフロントと呼ばれるシーズン前のCM予約販売で、プライムタイムで放送されるCM枠の7~8割が売られ、スキャターでは残りの2~3割のCM枠が取引される。料金はアップフロントを上回るのが通常。

カー氏によれば、各社の同期における視聴率(25~54歳層)も、ABCが前年同期比20%減少だったほか、NBCが16%減、Foxも9%の減少を示した。唯一CBSが4%増となった。
同期に放送された番組の中で、平均CM料金が高かった番組には、Foxの人気アクション・ドラマ「24」、ABC「デスパレートな妻たち:邦題」、ABC「グレイズ・アナトミー・恋の解剖学:邦題」Foxの医療ドラマ「ハウス」などがランクされており、FoxとABCが健闘している。