米プライムタイム番組のCM時間が減少へ


米テレビ視聴者からテレビ局に寄せられる苦情の中で多いのが番組中に流されるCM数の多さ。視聴者ばかりでなく、広告主からも不評をかっているが、テレビ局側によるCM時間の短縮化傾向が鮮明になってきた。

英広告グループ「WPPグループ」傘下のマインドシェア社がこのほど発表した調査結果によると、2006年に米ネットワークのプライムタイム番組で放送されたCMや番組宣伝の長さは1時間当たり15分と前年比横ばいに留まった。同測定が始まった1999年以来始めてのことだ。2005年には3%増加しており、マインドシェアでは「画期的な傾向だ」としている。

ケーブル局の番組で放送されるCM時間も2006年は前年比1%増と、2005年に記録した5%増を大きく下回った。 こうした傾向について業界誌メディアライフは、「CMの数が多すぎて自社のメッセージが視聴者に伝わっていないと不満を漏らす広告主にテレビ局側が配慮した結果」と分析している。従来型のCMに代わり、番組内に商品を登場させる広告方法「プロダクト・プレースメント」を多用するテレビ局が急増している(調査会社PQメディア)ことも一役買っているようだ。

ただ、CM時間の増減はネットワーク間によってまちまちで、CBSネットワークや若者に人気のケーブル局MTVでは減少傾向を示しているものの、逆にABCネットワークやFoxネットワークでは増えているという。ABCで放送されているコメディー番組「What About Brian」や、若者向け新興ネットワークCWで放送されている人気番組「スーパーナチュラル」で放送されているCMやPR時間は17分50秒にも及び、プライムタイム番組中トップ。これにABCの人気番組「デスパレイトな妻たち(邦題)」の17分35秒やFoxの「The War At Home」の17時間30分などと続いている。