米メディアが景気減速の中、増収増益


米メディア・娯楽業界主要企業の4-6月期の決算がこのほど、一斉に発表された。米国景気が減速するなか、増収増益を記録した企業が多いのが特徴だ。まず、ウォルト・ディズニー社は、今夏大ヒット作にめぐまれなかった映画部門が低調だったが、ディズニーランドなどテーマパーク部門が好調だったことや、スポーツ専門局ESPNの広告(CM)収入が堅調で、売上高は昨年同期比2%増となる92億4,000万㌦(約9,890億円)。純利益は12億8,000万㌦(約1,379億円)だった。ディズニー傘下にはABCネットワークもある。

またNBCネットワークやUSAネットワークなどのケーブル局網、さらには映画会社ユニバーサル・スタジオなどを傘下に抱えるNB Cユニバーサルは、ケーブル局が好調なことや、北京五輪CM収入、さらにはネットワークテレビの番組が比較的好調なことから、売上高は昨年同期比7%増となる36億2,500万㌦(約3,880億円)。純利益は1%増となる9億900万㌦(約973億円)となった。

若者に人気のケーブル局MTVや子供向け専門チャンネルニッケルオディオンなどCATV局や、映画会社パラマウント・ピクチャーズなどを傘下に置くバイアコム社は、「アイアンマン」や「インディアナ・ジューンズ」などのヒット作を放った映画部門が好調で、売上高は昨年同期比21%増となる38億6,000万㌦(約4,130億円)だったが、ケーブル局が不調で、純利益は6%減となる4億700万㌦(約435億円)となった。

CBSテレビネットワークやラジオ局のほか、屋外広告会社などを傘下に置くCBSコーポレーションは、屋外広告などが好調だったが、ネットワークテレビの広告(CM) 収入が低調だったことなどが響き、売上高は前年同期比0.6%増となる33億9,000万㌦(約3,630億円)。純利益は1.1%増となる4億840万㌦(約440億円)とほぼ横ばいだった。