米メディア企業、10-12月期決算が好調


 ネットワークテレビやケーブル局を傘下に置く米メディア企業の2010年 10~12月期の決算が次々に発表されている。まず、タイム・ワーナーがこのほど発表したところによると、過去2年間にわたって決行されたリストラ効果に 加え、傘下のテレビ局がすこぶる好調なことから、純利益は前年同期比22%増となる7億6900万㌦を記録した。売上高は同8%増、78億㌦だった。特に 有料チャンネルHBO、総合編成局TBSやTNTなどを含むテレビ部門の売上高は、加入者数の増加に加え、広告収入やコンテンツ収入の拡大で、前年同期比 14%となる33億㌦に達した。ちなみに、傘下のニュース専門局CNNは、広告主が重要視する25~54歳層の同期視聴者数が前年同期比34%の減少を示 し不振だが、番組の海外配信などから得る売上が好調でCNNグループ全体では黒字経営となっている模様だ。


テレビ部門に加え好調だったのが映画部門。大ヒットとなった「ハリー・ポッターと死の秘宝」やコメディー映画「デューデート」、そして日本では4月に公開される「ヨギ・ブーブ わんぱく大作戦」のヒットで、前年同期比10%増となる36億㌦の売上を記録した。


Foxネットワークやウォールストリート・ジャーナル紙などを傘下に置くニューズ・コーポレーションの決算をみると、タイム・ワーナー同様、Foxニュー ス・チャンネル(FNC)や若者向けケーブル局「FX」などケーブル局部門が牽引車となり好調だ。同社の10~12月期純利益は前年同期比約2.5倍とな る6億4200万㌦を記録。売上高は前年比0.9%増の87億6100万㌦となった。


番組配信料増加に加え、広告収入も17%増(前年同期比)と好調だったケーブル局部門の純利益は、前年同期比21.7%増となる7億3500万㌦。ケーブ ル局に加え、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)主催のアメフト中継番組の売上の貢献が目立ったネットワークテレビ部門の純利益は、前年同期比約 5倍にもなる1億5100万㌦を達成した。広告収入増には、広告出向量を大幅に拡大した自動車メーカーが大きく寄与しているという。一方、ウォールスト リート・ジャーナル紙などを傘下に置く出版部門は前年同期9000万㌦の赤字を計上したが、今季は3億8000万㌦の黒字に転換した。