米メディア企業、4-6月期決算好調


 ネットワークテレビやケーブル局、さらには映画会社などを傘下におく米メディア企業の4~6月期の決算がこのほど相次ぎ発表された。いずれの社も広告収入の回復や業績改善で増収増益を記録し活況を呈している。


米メディア企業最大手、ウォルト・ディズニーの売上高は前年同期比16%増となる100億200万㌦(約8500億円)、純利益は同約40%増の13億3100万㌦(約1130億円)と市場予想を上回る結果だった。「トイ・ストーリー3」を含む3本の映画が世界的にヒットしたことや、サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会中継番組や米プロバスケット・ボール協会(NBA)主催のプレーオフ試合中継番組が高視聴率を獲得したスポーツ専門局「ESPN」の広告収入が前年同期比30%も増加したことなどが寄与した。


ニューズ・コーポレーションは、広告主が重要視する18~49歳層の視聴率で6年連続トップにランクされたFoxネットワークをはじめ、好調なケーブル局を含むテレビ事業部門、経済誌ウォールストリート・ジャーナルなどを出版する新聞・情報サービス部門が堅調で、同期の売上高は前年同期比5.7%増の81億1000万㌦(約6894億円)を記録。純利益は8億7500万㌦(約745億円)と、4四半期連続で黒字を確保した。09年暮れに公開されたSF大作「アバター」に迫るヒット作に恵まれなかった映画部門は不振に陥ったが、絶好調なニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」や地域向けスポーツ・チャンネルなどが、グループ全体の牽引力になっている。


タイム・ワーナーの純利益は前年同期比7%増となる5億6200万㌦(約478億円)、総売り上げは前年同期比約8%増の63億8000万㌦(約5423億円)と市場予想を上回るものとなった。独自制作のドラマ番組やスポーツ番組の放送で好調なケーブル局を主体としたテレビ事業部門に加え、「タイタンの戦い(邦題)」や「Sex and the City 2(セックス・アンド・ザ・シティ2)などのヒット作に恵まれた映画事業部門が貢献した。広告収入もケーブル局を中心に、前年同期比11%増と二桁台を記録、15億㌦(1275億円)に達した。


CBSネットワークなどを傘下に置くCBSコーポレーションの同期売上高は、前年同期比11%の33億3000万㌦(約2831億円)。純利益も、前年同期の1540万㌦から1億5010万㌦(約128億円)と大幅アップ。大きく改善された広告収入を得たローカル局が全体に寄与した形だが、同社ムンベスCEO(最高経営責任者)は、「広告売上げのペースが極めて健全。回復基調が持続することを予見している。今年は(中間)選挙を控えており、さらなる広告収入が期待できる」と述べている。


一方、NBCネットワークや数々のケーブル局を傘下に置くNBCユニバーサルの同期の売上高は前年同期比5%増の37億5000万㌦(約3188億円)。純利益は前年同期比13%となる6億700万㌦(約516億円)だった。相変わらず好調なケーブル局と、ネットワークテレビ部門は、視聴率低下傾向が続くものの力強い広告市場に支えられた。