米メディア企業、広告収入減で軒並み減益


米メディア大手企業がこのほど、相次いで今年4-6月期決算を発表した。米景気後退に伴う広告収入の落ち込みが影響し、各社軒並み減益となっている。 有料チャンネルHBOやCNNなどケーブル局を含む放送部門や、ワーナー・ブラザースなど映画部門を傘下に置くタイムワーナーの純利益は、前年同期比34%減となる5億1900万㌦(約493億円)となった。


同期の放送部門の売上は、同5%増の約30億㌦(約2850億円)と好調だったが、広告不振が響いた出版部門や、年末にスピンオフ(分離・独立)を予定しているAOL(インターネット事業)の不振、DVD販売が低迷した映画部門などが大きく足を引っ張った形だ。同社の売上高は前年同期比9%減となる68億900万㌦(約6469億円)だった。


また、若者向けケーブル局MTVやパラマウント映画など映画部門をもつバイアコムの4-6月期の純利益は、同32%減の2億7700万㌦(約263億円)だった。MTVなど放送部門の広告収入が6%落ち込んだほか、映画部門も、「トランスフォーマー/リベンジ」などの興行収入が期待を裏切る成績に終わった。重要な収入源であるビデオ・ゲーム販売が振るわなかったことも痛手となっている。売上高は同14%減少の32億9900万㌦(約3134億円)だった。

一方、NBCネットワークやスペイン語ネットワーク「テレムンド」、さらにはMSNBCなどケーブル局を傘下に置く放送部門や、ユニバーサル映画など映画部門を抱えるNBCユニバーサルも減益となった。同社の純利益は、同41%減となる5億3900万㌦(約512億円)。売上高は8%減の36億㌦(約3420億円)だった。テーマパーク事業は比較的好調だったが、放送部門における地上波ネットワークで顕著な広告収入の落ち込みをみせたほか、映画部門ではDVD販売の不調が目立った。