米メディア景気回復に支えられ好調


米 メディア複合企業大手ウォルト・ディズニーはこのほど、2010年10~12月 期決算を発表した。同期の売上高は大方の予測を上回る前年同期比10%増の107億1600万㌦、純利益は同54%増となる13億200万㌦と、大幅な増 収増益となった。広告市場の回復を受け、スポーツ専門局ESPNや子供向けのディズニー・チャンネルなど、ケーブル局部門の売上が同16%増となる30億 6800万㌦、純利益が42%増7億7100万㌦と好調だったほか、ABCネットワークや直営局など地上波テレビ部門の売上高も4%増15億7700万 ㌦、純利益は64%増2億9500万㌦を記録し、テレビ事業が大きく寄与した。


放送以外でも、ディズニー・ランドなどテーマ・パークなどが持ち直したほか、「トロン:レガシー」や「塔の上のウブンツェル」などのヒット作やDVDの売 上も好調だったことから映画部門の売上高は19億㌦と横ばいながらも純利益は54%増となる3億7500万㌦となった。


一方、米ケーブルテレビ事業者最大手コムキャストが経営権を握ることになったNBCユニバーサルの同期決算は、売上高が前年同期比12%増となる48億 ㌦、純利益は、同38%増となる8億3000万㌦となった。プライムタイム番組が不調なものの、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の中継番組 が絶好調だったことで地上波テレビ部門の売上高が同11%増18億㌦となったほか、人気ケーブル局群を抱えるケーブルテレビ部門の売上高が同15%増とな る15億㌦と、全体の売上に大きく寄与した。ちなみに、コムキャストの同期決算は、ブロードバンド・サービスの加入者拡大などが貢献し、売上高は前年同期 比7.2%増となる97億2100万㌦、純利益は同6.6%増となる10億1800万㌦だった。


また、CBSネットワークなどを傘下に置くCBSコーポレーションの同期決算は、売上高が前年同期比11%増となる39億㌦、純利益は前年同期の5880 万㌦から大幅増となる2億8300万㌦を記録した。特にCBSネットワークの看板番組として数々のスピンオフ番組を生み出している「CSI(科学捜査班 班)」が中心となり、プライムタイムの視聴率が好調なことと、同番組シリーズの番組再販も好調で、テレビ部門の売上高が11%増20億5000万㌦とグ ループ全体の売上の半分を占めるほどだった。


米国では以上3社に加え、タイムワーナーやニューズ・コーポレーション(2月18日号既報)を含め、米メディア企業の業績は景気回復に支えられそろって明るい兆しを示している。