米メディア企業、第3四半期は軒並み業績不振


米メディア企業大手ニューズ・コーポレーションは5日、今年7~9月期の決算を発表したが、純利益は地上波放送部門や映画部門などの不振で大幅な落ち込みを見せた。ニューヨークタイムズ紙などによると、売上高は前年同期比6%増となる75億㌦(約7,500億円)を記録したが、純利益は前年同期比30%減の5億1,500万㌦(約515億円)にとどまった。

業績を部門別で見ると、不振が際立ったのが映画部門。ヒット作に恵まれなかったこともあり、同部門の営業利益は1億1,100万㌦(約111億円)の落ち込みを見せた。また、地上波放送部門は、テレビ局の広告収入の落ち込みや8つのテレビ局売却の影響で71%減少した。
一方、好調だったのがケーブルテレビ部門。ニュース専門チャンネル「Foxニュース・チャンネル(FNC)」の営業利益が27%の増加を見せたこともあり、同部門の営業利益は昨年同期比9,000万㌦(約90億円)増となる、3億7,900万㌦(約379億円)となった。

ニューズ・コーポレーションに比べ、比較的健闘したのがメディア最大手タイム・ワーナー。インターネット部門「AOL」や世界最大の雑誌部門「タイム・インク」の復調という大きな課題を抱えながらも、企業全体の同期売上げは117億㌦(約1兆1,700億円)、営業利益も11億㌦(約1,100億円)と昨年同期レベルを堅持した。部門別で見ると、同社もニューズ・コーポレーション同様、ケーブルテレビ部門が貢献した。ニュース専門局CNNを含むケーブルテレビが好調で、7~9月期の売上げは昨年同期比7%増となる27億㌦(約2,700億円)となった。

また、ABCネットワークなどを傘下に置く、ウォルト・ディズニー社の同期の純利益は、中核事業のメディア・放送部門が横ばい状態だったほか、映画部門がヒット作に恵まれなかったことや、燃料高などによる米国内テーマパーク運営のコスト増が響き、前年同期比3.8%減の17億4,400万㌦(約1744億円)にとどまった。