米メディア企業09年10~12月期決算


米5大メディア企業の一角、タイム・ワーナーとニューズ・コーポレーションの2社 が、10~12月期の決算を発表した。タイム・ワーナーの決算報告によれば、総収入は、前年同期比約2%増となる73億㌦を計上した。業績不振のインター ネット部門「AOL」やケーブルテレビ(CATV)事業部門「タイム・ワーナー・ケーブル」を分離し、テレビ・映画などに特化、グループのサイズをスリム 化したことなどが功を奏した。

また、出版部門が不調だったものの、「シャーロック・ホルムズ」「The Blind Side」などのヒットで盛り返した映画部門が寄与した。前年同期は、AOLなどに絡む評価損で約160億3000万㌦の大幅赤字だったが、今期は、6億 2700万㌦(約564億円)の利益となった。ケーブル局を中心としたテレビ部門は、広告収入が前年同期比4%(3700万㌦)減と不調だったが、ケーブ ル局の加入者数が前年同期比11%増を示し、同部門の総収入は4%増の31億㌦となった。


一方、ニューズ・コーポレーションは、大ヒット中のSF大作映画「アバター」の興行収入などが貢献し、10~12月期の総収入は、前年同期比10%強とな る約86億8000万㌦を記録。市場の平均予想82億3000万㌦を上回るものとなった。純利益は約2億5400万㌦を計上し、約64億㌦の赤字だった前 年同期に比べ一気に黒字転換した。グループ傘下の地上波テレビ放送、ケーブル局、新聞、映画、からなる4重要部門すべてが、総収入・純利益とも増収となっ た。


部門別で見ると、グループ全体に最も貢献したのがケーブル局。特に、ニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」の健闘ぶりが著しく、同部門の純利益は 51%増を記録した。ケーブル局部門の総収入は、前年同期の14億9000万㌦から17億6000億㌦に拡大。純利益は前年同期比35%増となる6億 400万㌦だった。


そのほか、世界興行収入が20億㌦を超過し、歴代最高記録を塗り替えた「アバター」に加え、DVD売り上の好調さも手伝って、映画部門の総収入は前年同期 の14億9000万㌦を上回る19億㌦、純利益も前年同期の1億1200万㌦の3倍に相当する3億2400万㌦を計上した。ちなみに、同決算期におけるア バターの公開期間はたった13日間。同映画の売り上げが次期決算に与える貢献度はさらに大きくなる見込みだ。