米メディア企業1-3月期決算


米メディア企業はこのほど、2010年1-3月期決算を順次発表した。ウォルト・ディズニーは売上高が前年同期比6%増となる約86億㌦、ニューズ・コーポレーションは同19%増となる88億㌦。NBCユニバーサルは同23%増、43億㌦、CBSコーポレーションは12%増となる35億㌦と、それぞれ増収を記録した。


ABCネットワークやケーブル局などを傘下に置くウォルト・ディズニーは、資産の減損処理費用やリストラ関連費用が圧縮されたこと、さらに3D(三次元)映画「アリス・イン・ワンダーランド」の大ヒットなどで、純利益は昨年同期比55%増となる9億5300万㌦を記録した。テレビ部門では、スポーツ専門局ESPNが原動力となりケーブル局が大健闘した一方、ネットワークテレビは視聴率が芳しくなく広告収入が減収となった。


Foxネットワークなどを傘下に置くニューズ・コーポレーションは、世界的な大ヒットとなった3D映画「アバター」のおかげで映画部門の売上高は昨年同期比76.2%増を記録した。テレビ部門では引き続き好調なケーブル局部門の営業利益は昨年同期4億2600万㌦から5億8800万㌦に上昇。ネットワークテレビも昨年の900万㌦から4000万㌦の増益となった。ただ、デジタル信号暗号化システム・メーカー「NDSグループ」の売却で多額の資産売却益を計上した反動で、純利益は8億3900万㌦と、前年同期比69.2%の減少となった。


CBSコーポレーションは、主にリストラ関連費用が原因で、昨年同期の5530万㌦ほどではなかったものの2620万ドルの損益を記録した。テレビ部門は、特に記録的な視聴率を獲得したスーパーボウルが牽引力となり売上高が25%上昇。プライムタイム番組視聴率も好調で、直営局の売上高は同29%増となる3億2370万㌦に達した。

NBCユニバーサルは、2月に開催されたバンクーバ冬季五輪が赤字経営になったことが大きく左右し、純利益は同49%減少となる1億9900万㌦の損益を計上した。バンクーバ五輪は、前回のトリノ大会に比べ視聴率は14%増と好調だったものの、広告売上げが低迷し、7億8200万㌦の売上げに対し、2億2300万㌦の損益を記録した。一方、ケーブル局はUSAネットワークなどエンターテイメント系チャンネルを中心にいたって好調。同部門の売上高は同3%増となった。