米両党候補者が五輪番組にキャンペーンCM


米民主党の大統領候補指名を確実にしているバラク・オバマ上院議員陣営は6月下旬、北京五輪を放送するNBCテレビから500万㌦(約5億5,000万円)相当のCM枠を購入したが、開催直前になってライバル共和党候補のジョン・マケイン上院議員が600万㌦(約6億6,000万円)のCM枠を購入すると発表した。米大統領選の候補は激戦州に的を絞ったり、料金の安価なケーブル局中心にCMを流すのが通例。全国向けテレビ番組にCMを流すのは1996年に共和党のボブ・ドール候補が行って以来12年ぶりのこと。

オバマ候補はマケイン候補の2倍を上回る(6月時点)圧倒的な献金集金力を誇っており、料金の高い五輪番組のCM購入を可能にした。選挙資金で劣勢に立つマケイン陣営が追随した背景について、広告業界誌アドバタイジング・エイジは、「夏季視聴率が低迷する番組の中にあって五輪番組だけは例外。潤沢な資金力はないものの、全国の有権者の目に触れるまたとない選挙CMチャンスを逃すわけにはいかないと判断した」と分析している。

NBCユニバーサルは傘下の地上波テレビNBCをはじめ、ケーブル局などを総動員し、北京五輪放送にこれまでの最長記録となる計3,600時間を割く予定。業界誌バラエティーなどによれば、NBCユニバーサルのCM売上げは最終的にはアテネ大会の10億㌦(約1,100億円)を更新することは間違いない情勢だ。地上波ネットワークで流される30秒CMの価格は75万㌦(約8,250万円)で取引されている模様。