米人気番組最終回に記録的CM料金


 今シーズンで終了予定のABCネットワークの人気ドラマ・シリーズ「ロスト」の最終回(5月23日)のCMに前代未聞の料金が課せられることになりそうだ。広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」が複数の広告主から集めた情報によれば、30秒CMに約90万㌦(8100万円)の値がついているという。同番組の通常平均料金、21万3563㌦(約1922万円)と比較し4倍強と、超高額な料金となるばかりか、今シーズン、最も高額なCM料金がついたNBCネットワークのスポーツ番組「サンデーナイト・フットボール」の平均料金33万9700㌦(3057万円)を軽く超えるものとなる。米テレビ界を代表する大イベント番組「アカデミー賞」の中継番組のCM料金、140~150万㌦にも引けをとらないものになりそうだ。


今季のロストの視聴率は、全体的には及第点レベル。それでも、これだけの高額CM料金が提示されている背景には、同番組の熱心なファンの存在がありそうだ。番組がどのような形で完結するのか、すでにファンの間でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを使った、盛んなやり取りが行われている模様。ある広告代理店の幹部は、「ロストは特別な番組だ。通常のドラマの最終回とは違う雰囲気が生まれている。大きなイベントになる可能性がある」と語っている。


ちなみに、これまで放送されたドラマ・シリーズの最終回で最も高額なCM料金がついたのは、NBCネットワークのラブ・コメディー番組「フレンズ」(2004年終了)で150~230万㌦(30秒CM)。このほか、NBCのコメディー番組「となりのサインフェルド(邦題)」(1998年終了)の同140~180万㌦、CBSのコメディー「Hey! レイモンド(邦題)」(2005年終了)の130万㌦などとなっている。


今年で第6シリーズとなったロストは、南太平洋のある島に墜落した旅客機の生存者たちをめぐる、数々の不思議な体験を描いたもの。サバイバーたちの人物像が浮き彫りになるほか、オカルト的な要素なども盛り込まれたマニアックなストーリーで、日本でもCSチャンネルで放送された。監督は、新作映画「スター・トレック」なども手がけたJ.J.エイブラムス。