米国に勝る日本のブロードバンド


「ブロードバンド(高速大容量)通信ならスピードも加入料金の手軽さも日本にかなわない。米国は決定的な差をつけられた。」そんな調査結果を米有力紙「ワシントン・ポスト」がこのほど伝えた。同紙は、「日本の生活者に提供されているブロードバンドのスピードは米国の30倍の速さ。米国ではネット上の動画再生に時間がかかり、いらいらする経験を持つ人が多い。画質も極めて貧弱で小さな画面で視聴するのがやっと。それに引き換え、日本の生活者はネット上で放送並みの高品質の動画視聴をフルスクリーンに拡大して楽しむことが出来る」と、日本の優位性を強調している。

加入料金も、光ファイバー通信を例にとり、日本では提供通信速度が100mbps(メガビット毎秒)にも上るが月額料金は$36.58(約4,400円=NTT西日本)。米通信大手ベライゾン社が提供する光ファイバーは、速度が5mbpsとわずか20分の一だが、料金は$39.99(約4,800円)で提供されていると指摘している。

日本のブロードバンド・サービスの優位性は、ケーブルなどのネットワーク網が新しいことによるものだが、「第2次世界大戦中、米軍の爆撃で壊滅的な打撃を受けたケーブル網を再構築したおかげだ」などと分析している。また、「日本の都市部では家屋が密集していることから、高速ネットワークの施設が(米国に比べ)容易だ」とも指摘している。さらに、「2000年に日本は政府主導で通信業界の規制緩和に着手したが、ブッシュ政権は指をくわえてみていただけ。(新ネットワーク構築の)好機を逃してしまった」と嘆いている。同紙は当面の間、米国は日本に追いつけないだろうと予測している。

ちなみに、ブロードバンドの普及率では韓国が世界一。カナダ、スイスの順で続くが、日本は7位、米国は9位にランクされている。