米大学生のテレビ視聴時間は増大傾向?


米国の大学生はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や携帯電話のテキスト・サービスなどニューメディアを使って友達と交流する時間が多く、テレビ視聴時間が少なくなっている。そんな通説が覆される調査結果がこのほど明らかになった。若者の動向分析などにあたる米調査会社「Youth Trends」によると、18~24歳の若者(主に大学生)が今春、テレビ視聴時間に費やした時間は週平均10.6時間と昨年秋の10.1時間から増えていることが分かった。

増えた時間はわずか30分間だが、Youth Trendsの創設者ジョシュ・ワイル氏は、「テレビ離れをしていると考えられていた同グループの視聴時間がむしろ増えていることが分かり、意外な結果だった」と述べている。同氏は、増えた理由について、「友達をさそってテレビ番組を見る若者が多いようだ。彼らにとってテレビ視聴が社交の場になっている」と解説している。

また、同調査では、これらの若者が視聴するテレビ番組は両親などが見る番組とはまったく異なる番組であることも分かった。例えば、ABCネットワークのドラマ「ロスト」は昨シーズン、世帯視聴者数100万人を失い人気番組トップ10入りを逃した番組だが、同グループでは人気番組の第2位に選ばれている。ちなみに、ロストは、不思議な島に墜落した旅客機の生存者たちを描くサバイバル・ミステリー。

一方、今や米テレビ界の人気ナンバーワン番組として定着しているFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」は、同若者グループの間では人気番組トップ10にランクされない、といった具合だ。同グループにとっては新鮮味が失われた番組ということのようだ。さらに、同調査では、男性のほうが女性よりテレビ視聴時間が長いことも分かった。ワイル氏によると、「女性は余暇をショッピングやジムなど運動にあてるが、男性は時間をもてあましているのかもしれない」。