米大統領就任式に前代未聞の報道体制


ワシントンで行われるオバマ次期米大統領の就任式が1月20日に迫っている。米テレビ局の取材体制が前代未聞の規模になることがこのほど明らかになった。就任式の模様は、地上波ネットワークをはじめニュース専門局が生中継するのが通例だが、今回は、若者向け専門局「MTV」や黒人向け専門局「BET」、さらにはテレビショッピング専門局大手「QVC」や子供向けチャンネル「ニコロデオン」など報道番組とは縁のないテレビ局が加わるという。米国史上初の黒人大統領ということで市民の関心が高まることは以前から指摘されていたが、当日の視聴者数が、最高記録を塗り替えることはほぼ間違いない情勢(ニューヨークタイムズ紙)だ。

CBSのショーン・マクマナス報道担当社長によれば、同ネットワークは当初、就任演説終了後に予定されているパレードの全国向け中継は早めに切り上げる方針だった。しかし、系列局から、「歴史に刻まれることになる当日の行事はすべて放送したい」との注文が殺到。結局、パレードすべてを生中継する予定だ。CNNも、これまでの就任式に比べ、より長い、より詳しい報道を予定している。世界向けに配信しているCNNインターナショナルでも同時中継され、同社では米市民ばかりでなく、世界中が就任式の模様に釘付けになると見込んでいる。

就任式は午前中にオバマ次期大統領の宣誓式と就任演説が議会に特設される野外ステージで行わる。その後、議会での昼餐会などを経て議会からホワイトハウスまでの祝賀パレードなどが予定されている。夜は首都の複数のホテルなどで、舞踏会も行われる。就任演説時には議会から約3㌔先のリンカーン記念堂まで続くナショナル・モール(広場)に二百万人の市民が詰め掛けると予想されていて、警備も軍隊、警察官それぞれ1万人規模(CNN)になるという。