米大統領選討論会にYouTubeを採用


米サウスカロライナ州チャールストンのシタデル軍事学校で7月23日、米大統領選に向け出馬を表明している民主党の候補者8人を集めテレビ討論会が開かれた。2時間に渡る討論会はCNNテレビが中継したが、各候補に対し、米人気動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」を介して市民が、自らが撮ったビデオで質問を投げかけるという、米TV討論会史上初のフォーマットで進められた。通常の討論会は、主催するテレビ局の司会者やジャーナリストなどが質問をするのが慣わしだ。

ユーチューブには3,000件近くの質問が事前に寄せられたが、CNNが約40人に絞って採り上げた。「このまま放置されれば融けてしまう」と、雪だるまを使って各候補に地球温暖化対策を質問する投稿者や、カメラに向かってかつらを取ったがん患者が健康保険問題を聞きただすなど、「創造的で単刀直入かつエンターテイメント性に富んだ」(CBSニュース)質問が続出した。

放送後CNNには視聴者から様々な感想が寄せられた。「将来大統領になるかもしれない候補に、ふざけた映像で質問するのはいかがなものか。これまでで最低の討論会だった」などと不満を示す声もあるが、「私は若い有権者だが、これまでで最高の討論会だった」「いい質問が多く、各候補にストレートに迫っていた」などと、好意的な意見が多かった模様。

同業者や専門家の間からも、「インターネットやビデオ技術を使いこなす若者が主役となった討論会だった」(AP通信)、「大統領選討論会の歴史にとって一里塚になったことは間違いない」(ペンシルベニア州立大学政治学教授)などと評価する声が少なくない。なお、共和党候補を対象にした同様の討論会は9月17日に開催される。