米女性アンカーが降板か


CBSネットワークの看板報道番組「CBS Evening News 」のメイン・キャスター(アンカー)を務めているケイティー・クーリック氏(54)の去就をめぐり様々な憶測が飛び交っている。業界誌はもとよりニューヨーク・タイムズ紙など一般紙も含め各社一斉に報道しているが、今夏をもって降板する、というのが大方の見方だ。クーリック氏とCBSとの契約は64日をもって満期となる。

 

地上波3大ネットワーク(ABCCBSNBC)が全国向けに放送する夕方のニュース番組は米社会全体に大きな影響力を持つ番組。アンカーと呼ばれる同番組のキャスターは、長年にわたり白人男性が君臨してきた。過去に、ウォルター・クロンカイト氏やダン・ラザー氏など、米国を代表するアンカーを輩出し、時に米市民の間で大統領などと並び最も尊敬する人物トップ10に選ばれるほどの特別な存在だ。

 

ところが、069月、視聴率低下傾向に悩んでいたCBSがライバル・ネットワークからクーリック氏をスカウト。単独としては米テレビ史上初めてとなる女性アンカーが誕生した。米テレビ報道界では新記録となる推定年俸1500万㌦が支払われたこともあり、当時大ニュースとして取り上げられた。クーリック氏は、NBCネットワークの朝の情報帯番組「トゥデー」のアンカーを15年間にわたり務め、同番組を揺ぎ無い人気ナンバーワン番組に定着させた貢献者だった。

 

インターネットの普及やニュース専門局の登場で、各ネットワークの全国向けニュース番組は視聴者離れが起こっている。そんな中、かつて米テレビ報道の雄だった「CBS Evening News」は、クーリック氏のファン層が広告主が重要視する2554歳層であることに注目、起死回生を託し彼女に白羽の矢を立てた。ところが、当初の数週間は高視聴率を獲得したものの、その後は再び3大ネットワーク中最下位に転落。以降上位に浮上することはなかった。クーリックさんの将来については、新しいトーク番組の司会者として新たなスタートを切るのではないか、などと様々な観測が出ている。なお、クーリック氏の後任には、CBSの人気報道番組「60ミニッツ」のレポーター、スコット・ペリー氏の名前が浮上している。  <NY北清>