米家電見本市、タブレットが話題に


世界最大の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が1月6~9日、米ネバダ州ラスベガスで開催された。米家電協会(CEA)が主催した。様々な家電製品の新製品や試作品が展示されたが、メディア関連でみると、昨年に続き3D(3次元立体)テレビやインターネット上で配信される番組などをテレビに取り込みディスプレーできるインターネットテレビ(スマートテレビ)などが紹介される中で、タブレット型携帯情報端末が話題を集めた。タブレットは、スマートフォン(多機能携帯電話)に比べ一回り画面が大きいため、タブレット型パソコンと呼ばれることもある。

タブレット人気は、昨年4月に発売されたアップル社製のアイパッド(iPad)が口火を切ったが、パナソニック、モトローラ、デル、サムスンなど各社が追随するかたちで、アイパッドには搭載されていないビデオカメラ機能を備えたものや4G(第4世代通信)対応型など、今回発表された新型タブレットは数十種類にも上った。スライド式のキーボードを内臓するモデルも現れ、かぎりなくパソコンに近づいた携帯情報端末に変貌しているものもある。米報道も一斉にタブレットを取り上げ、米調査会社「SNLケーガン」は2011年が「タブレットの年」になると予測している。ちなみに、同社ではeリーダーと呼ばれる電子書籍端末が画面のカラー表示やマルチメディア機能などを取り入れ始めていることに注目。2012年までにはeリーダーとタブレットの垣根がなくなる可能性もある、と指摘している。


別な調査会社「フォーレスタ・リサーチ」も、今年中にタブレットを購入する人が2400万人、来年には3500万人にも達すると見ており、「2011年がタブレットが本格的な普及を始める年になるだろう」と予測している。


こんなタブレット人気を先取りするかたちで、ネットワークテレビなどがタブレット専用の番組配信用アプリケーションを開発を始めたほか、全米最大のケーブルテレビ(CATV)事業者コムキャストが、加入者に限定したタブレット向け番組配信サービスを発表している。新聞業界も、ウォールストリート・ジャーナル紙などを傘下に置くメディア企業大手ニューズ・コーポレーションがタブレット端末向けの電子新聞「ザ・デイリー」の創刊を発表、事業再生のきっかけにしたい考えだ。