米広告量、過去最大規模の15%減


2009年上半期の米広告支出が不況を反映し、減少が前年同期比15%超となったことが明らかになった。米調査会社ニールセンの報告によると、1―6月期の広告出稿量(金額)は、前年同期比103億㌦(約9785億円)減少の569億㌦(約5兆4000億円)だった。

分野別で見ると、最大の広告主である自動車メーカーが31・4%減と、最も大きな減少幅を示した。ただし、広告出稿量は約36億8000万㌦(約3496億円)と支出額が最も多く、最大広告主の座を守った。自動車に次ぐ下げ幅を見せたのが自動車販売店。26・2%減の約16億8900万㌦(約1605億円)と落ち込み、不振を続く自動車業界を象徴する形となった。

一方、広告量が増加した分野もあった。テレビのインフォマーシャルで購入を呼び掛ける商品「ディレクト・レスポンス・プロダクト」が、6・7%増となる12億6000万㌦(約1200億円)と、最大の上げ幅を示したほか、ファストフードは5・1%増の約22億㌦(約2090億円)。携帯電話(1・3%増、18億7100万㌦)や映画(1・7%増、17億㌦)も、増加を示した数少ない分野である。

ニールセンの広告情報担当副社長アニー・トゥリアトス氏は、発表文の中で「不況下に強いファストフードが伸びを示したが、興味深いのはスマートフォンやソフトウエアなど、IT技術革新に関する分野が広告出稿に積極的な姿勢を示していることだ」と分析している。

媒体別では、全国向けネットワークテレビ(7%減)や新聞(全国紙/22・8%)、雑誌(全国向け/21・2%)、ラジオ(全国向け/9・0%減)など、いわゆる4大媒体の広告費が軒並み減少。また、これまで他媒体を尻目に増加を続けてきたインターネット広告が1%減となり、02年以来初めてのマイナス成長を記録した。