米新聞発行部数が2.6%減少

不振を続ける米国の新聞業界にまた暗いニュースが届いた。米発行部数監査会(ABC)が2007年4月から9月に渡る6ヶ月間の米新聞発行部数の動向を調べたところ、上位25の新聞で昨年同時期比の発行部数が伸びたのはわずか4社だった。ABCによると、全国の日刊紙538紙の週日版発行部数は2.6%減少した。週末版の発行部数は4.6%減少した。購読者が「紙」から離脱し、「電子版」へ乗り換える傾向に歯止めがかからない状況で、電子版の購読者は逆に増加していることが明らかになった。

ニューヨークタイムズ紙の週日版発行部数は昨年同時期比4.51%減少し1,037,828部。日曜版は購読料の値上が影響したこともあり、7.59%減少の1,500,394部だった。この他の有力新聞も軒並み発行部数が減少している。ワシントンポスト紙の週日版が3.2%減少の635,087部。ボストングローブ紙が6.6%減少の360,695部。ウォールストリート・ジャーナル紙が1.53%減の2,011,882部などとなっている。逆に発行部数が増えたのは全国紙USAトゥデー(1%増、約229万部)他3紙に留まっている。

ところで、ABCは初めて新聞購読者と電子版閲覧者を合わせた購読(閲覧)者数を発表した。ワシントンポストのスティーブ・ヒルズ社長は、「我々は新聞のマーケティングに新たなアプローチで取り組む必要がある」と述べ、広告業界に対し電子版も含めた包括メディアとしてアピールしたいとの考えを示した。しかし、「媒体としての新聞に対する広告主の見方が、電子版によって一変するとは思えない」(米調査会社スカーボロ・リサーチ)などと、反応は冷ややかだ。

ちなみに、ワシントンポスト紙によると、同紙電子版の閲覧者はワシントン近郊住民も含め月間平均309万人に達するとしている。