米新聞発行部数の減少続く


米国の新聞発行部数減少傾向に歯止めがかからない。業界団体「新聞雑誌部数公査機構(ABC)」がこのほど発表した調査結果によると、米国では数少ない全国紙「USAトゥデー」と「ウォールストリート・ジャーナル」の2紙を除くすべての新聞の発行部数が減少している。

ABCによると、2006年10月から2007年3月までの6ヶ月間におけるUSAトゥデーの発行部数は、前年同時期比0.3%増の2,284,219部(発行部数全米第1位)、第2位のウォールストリート・ジャーナルは0.4%増2,069,463部と、増えたといってもいずれも1%以内の微増に留まった。一方、全米第3位の発行部数を誇り、米国を代表する有力紙の一つとされるニューヨーク・タイムズ紙は3.9%の減少を示し1,077,256部だった。

米国の新聞発行部数は1980年代から下降線を辿り始めたが、特にここ数年、減少カーブが顕著になっている。若者を中心にニュースや情報などをインターネットに求める人の数が急増しているためで、逆に各紙が提供している電子版の人気はうなぎのぼりという皮肉な結果となっている。ただ、電子版の広告売上などはまだまだ紙面には及ばず、各社は苦しい経営状況に陥っているのが現状だ。

今年2月、ニューヨーク・タイムズ紙は、編集部門の全従業員の約7.5%にあたる約100人を今年中に削減すると発表したが、広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」によると、過去10年に業界全体で約3,600の人員がカットされた模様だ。また、昨年の新聞広告売上は422億㌦(約4兆4,310億円)と2000年の487億㌦(約5兆1,135億円)から大幅に減少している。