米書店チェーン、電子書籍リーダー発売


全米最大の書籍チェーン店「バーンズ&ノーブル」はこのほど、電子書籍リーダー(電子書籍の閲覧端末)「Nook」を11月末に向け発売すると発表した。電子書籍リーダーは、先駆者となった米アマゾン・ドット・コム社の「キンドル」に加え、ソニーも今夏、同様な「Reader Daily Edition」を発売しており、クリスマス商戦に向け販売競争が激しくなりそうだ。


Nookは、無線LAN通信機能や米グーグル社の携帯端末用OS「アンドロイド」を搭載したもので、価格はキンドルと同水準の259㌦(約2万3300円)に設定される予定。幅4.9インチ、縦7.7インチ、厚さ0.5インチ。重さは11.2オンス(約317g)。内臓メモリは2GBで、最大1500冊の電子書籍を保存できるという。


電子書籍のダウンロードは、全米1300箇所に上る同書店チェーン内で無料で出来るほか、通信大手AT&Tの3G(第三世代)ネットワークが使える。さらに、画面の下段に設けられたナビゲーション用のディスプレイにはカラー・ディスプレイを採用し、キンドルとの差別化を図った。さらに、自らが購入した電子書籍を転送し、友人などが無料で読める機能も初めて取り入れた。ただし、貸し出し期間は14日間。この間は自分で読むことは出来ない。


米出版業のコンサルティング会社「Codex Group」によれば、これまで米国内で販売されたアマゾン社のキンドルは94万5000台と、100万台の大台にもう一歩。ソニーのリーダーは52万5000台に留まっている。


バーンズ&ノーブルはすでに今年7月、アップル社のアイフォンやブックベリーなどに代表されるスマートフォンなどにダウンロードできる書籍を提供する「e-bookstore」(電子書籍ストアー)を開設したが、Nook発売後も引き続き同サイトの運営を続ける予定。