米有力週刊誌が隔週発行に


米国では若者を中心にいわゆる活字離れが進んでいて、新聞・雑誌業界は生き残りをかけ購読者の引きとめに必死だ。そんな中、ニューズウィーク誌やタイム誌と並ぶ有力週刊誌「USニュース&ワールド・リポート」がついに発行を隔週にすることを決めた。来年1月から実施する。インターネットの普及により従来型の既存メディアの存続が危ぶまれて久しいが、著名な週刊誌が発行数を一挙に半減とする決定を出したことで、業界内に少なからぬ衝撃が走っている。米経済紙ウォールストリート・ジャーナルは、「読者と広告主がインターネットへ転出し始めていることへの対応策だが、同誌は最も大胆な措置をとった」と報じている。

同誌編集長、ブライアン・ケリー氏は、「週刊誌を取り巻くビジネス環境は非常に厳しい。今回の決定は、そうした環境の中での生き残りをかけた戦略の一環で、これからは印刷部門を縮小し、オンライン部門を拡張していくことになる」と説明している。米雑誌発行者協会出版情報局(PIB)によると、同誌の今年1-3月期の広告ページ数は昨年同時期比34.8%減少と厳しい状況に陥っていた。

ところで、米国の新聞発行部数減少傾向にも歯止めがかからない。業界団体「新聞雑誌部数考査機構(ABC)」がこのほど発表した調査結果によると、米国では数少ない全国紙と称される「USAトゥデー」と「ウォールストリート・ジャーナル」の2紙を除くすべての新聞の発行部数が減少している。ただ、その2紙についても、USAトゥデー(全米第1位)の発行部数は2006年10月から2007年3月までの6ヶ月間に前年同時期比0.3%増の2,284,219部、第2位のウォールストリート・ジャーナルは0.4%増の2,069,463部と、増えたといってもいずれも1%以内の微増に留まった。一方、米国を代表する有力紙ニューヨーク・タイムズ紙は3.9%の減少を示し、1,077,256部だった。ニューヨーク・タイムズ紙は今年2月、編集部門の従業員の約7.5%にあたる約100人を今年中に削減すると発表した。