米消費者、節約ムードでハイテク製品敬遠

「今年はハイテクやIT製品の購入を控える」と考えている人が、米消費者全体の半数以上もいることが明らかになった。今月8日から米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)直前に発表され、家電業界にとって暗いニュースとなった。

米有力調査会社フォレスタ・リサーチ社によれば、例えば66%の人が「衛星ラジオ」を買うつもりはないと答えたほか、62%がカーナビなどGPS機器を購入しないと答えた。また、米生活者の間で人気急上昇中のスマートフォン(音声通話以外に様々なデータ処理機能をもった携帯電話)についても、「買うつもりはない」人が63%に上った。

いずれも、各企業が、新しい収入源と期待を寄せる製品ばかり。フォレスタは、昨年9月の金融危機や景気後退で米国の消費が冷え込んでいることが改めて浮き彫りになった、と分析している。また、新製品のほかにも、「ビデオ・ゲームの購入を止めることにした」人が62%もいることがわかり、既存の人気製品に対しても買い控えする傾向が鮮明になっている。フォレスタの主任アナリストポール・ジャクソン氏は、ウォールストリート・ジャーナル紙に、今年の消費者の姿勢が“極めて厳格になる”と予測している。

一方、コンサルティング会社アクセンチュアの調査では、インターネット接続サービスを解約してもいいと答えた人は全米のわずか3.7%。「携帯電話をあきらめてもいい」が8.7%、「ケーブルテレビや衛星放送サービスへの加入を断念してもいい」が9.6%に留まることがわかった。未曾有の経済不振に、米消費者は、生活必需品と考える製品やサービスは保持する一方、贅沢品と考えるモノについては徹底的に節約する構えだ。