米経済紙WSJが発行部数トップに

米有力経済紙ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)はこのほど、今年(2009年)3-9月における発行部数が、昨年同期比0.6%増となる202万4269部を記録、全米首位の座を獲得したと発表した。これまで長年に渡り、米紙の中で発行部数が一番多かったのはガネット社傘下の全国紙USAトゥデーだったが、不況のあおりで188万部ほどに急激した模様。


新聞・雑誌専門サイト「エディター&パブリッシャー」によれば、WSJの個人購読者は昨年同期比0.8%増となる143万7853部。購読料による売上高は、昨年同期比10.1%増を記録した。


WSJは声明を発表、全米ホテル・チェーン、「マリオット・ホテル」の新聞配達制度の変更を挙げ、同紙購読料の増大の一因となっていることを明らかにしている。マリオット・ホテルではこれまで客室に配る新聞をUSAトゥデー紙に限定していたが、今年4月に同紙の他、WSJ及び地方紙から自由に選べる制度を導入したところ、WSJ希望者が多数に上った。そのため、同ホテル・チェーンに対するWSJの販売部数が20%も増大したという。WSJのマーケティング担当責任者ポール・バスコバート氏は、声明文の中で、「他のホテルもマリオットに習い、お客が新聞を選べるシステムに切り替えて欲しい」とアピール、さらなる発行部数の増大に期待を寄せている。


なお、WSJは同紙の有料ウェブサイト(wsj.com)の加入者数を合算しているため、紙の発行部数でUSAトゥデー紙を上回ったかどうかは不明だとする指摘もある。WSJによると、2009年3月時点でwsj.comの加入者数は38万3199件。