若者獲得にはセレブの起用を

「若者を取り込むにはセレブを起用した広告が効果的」 こんな調査結果がこのほど明らかになった。広告代理店グループ大手「WPPグループ」傘下のメディア広告会社「Mediaedge:cia(MEC)」の調査で分かったもので、広告主が重要ターゲットとしている若者層(18~34歳)の30%が、「CMや広告に登場したセレブが推奨する商品やサービスを試してもいい」と答えた。

また、同層の半数が、「セレブ広告を友人などに伝える」と答えており、同層における「口コミ効果」の大きさも指摘している。ちなみに、同層の35%が、「セレブが推奨するブランド」に対し、「商品・サービス名を覚えている」「商品に興味を覚える」などと答えており、セレブ効果が絶大なことも分かった。


ところが、35~54歳層になると、セレブ広告に影響される人はわずか14%。55歳以上では11%にまで下がることが判明した。セレブ広告の効能がヤングとシニアではっきり分かれることが浮き彫りになった。しかし、MECで消費者の趣向や動向などの調査にあたる、ダミアン・トンプソン氏は報告書の中で、「消費者の過半数以上(53%)が、自分が興味ある商品やサービスについては、どのセレブが広報活動に登場したか覚えていない」ことを指摘。広告主に対し、セレブの選択は慎重に吟味する必要があるとしている。


また、MECによれば、セレブの起用が効果的な商品として、ファッション関連、香水・化粧品、高級商品、スポーツ商品などが挙がっていることが明らかになった。

調査は米消費者を対象に2009年上半期に行われたが、MECでは別途、世界25ヶ国を対象にした調査も行った。それによると、「セレブ広告が多すぎると感じている人が65%」となった国もあり、国情によってセレブ効果に違いがあることも指摘している。