英BBCが海外ニュースで米市場進出

「あなたが見逃している世界を見よう!」。こんなスローガンを掲げ英BBCテレビが米テレビ市場に殴り込みをかけている。「米テレビ局は国際ニュースの報道や解説が少ない」とする通説を楯に取り、24時間ニュース専門チャンネル「BBC World News」を普及させるため、ケーブルテレビ事業者などに配信を働きかけている。1998年3月に立ち上げられ、徐々に人気が出てきた「BBC America」(一般編成)に勇気付けられたものだ。

BBC World Newsの最高経営責任者(CEO)、リチャード・サムブルック氏は、業界誌「ハリウッド・リポーター」に対し、「米国では2001年の9月11日(同時テロ)以来、海外ニュースに対する関心が急速に高まっている。国際報道で世界から定評を得ているBBC World Newsは、ケーブルテレビ及び衛星放送事業者にとって、米生活者のニーズに応えるぴったりなチャンネルになるはずだ」とアピールしている。

同社が昨年、米消費者を対象に実施した市場調査によると、「海外ニュースに常にアクセスできることが重要」と考える人は65%。ケーブルテレビなどで流されているニュース専門局の報道ぶりを、「タブロイド的なニュースが多すぎる」と思っている人が40%。「同じようなニュースの繰り返しが多過ぎる」と考える人が32%もいたことを受けて、「米視聴者が欲している海外ニュースと、市場に提供されているニュースの間には大きなギャップがあることが分かった」(BBC広報)としている。現在BBC World Newsの視聴可能世帯数は300万件に留まっているが、BBCでは今回のキャンペーンをテコに、配信世帯数を大幅に増やしたいとしている。