英ロイヤル・ウェディング、米国での関心はいまいち


英国のチャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の長男で王位継承順位2位のウィリアム王子と一般家庭出身のケイト・ミドルトンさんとの結婚式が429日ロンドンで行われた。その模様は全世界に向けテレビ中継されたが、米国ではメディアの過熱振りとは裏腹に視聴者数はさほど多くなかったことが明らかになった。

 

米国では結婚式の模様は時差の関係で、ニューヨークなど米東海岸地域では午前6時~7時半の間に生中継された。しかし、早朝だったこともありニールセン社の発表によると、平均視聴者数2280万人、視聴世帯数は1860万軒にとどまった。米ネットワークテレビがプライムタイム(午後811時)で放送する人気番組、Foxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」やABCネットワークの「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」などに匹敵する視聴者数だが、生中継をしたのが地上波ネットワークテレビをはじめケーブル局など11社だったことを考えれば、「視聴者を揺り起こすことが出来なかった」(ニューヨーク・タイムズ紙)とも言えそうだ。

 

米世論調査会社「ピュー・リサーチ・センター」が式前日に発表した調査でも、「結婚式をテレビで見るつもり」と答えた人が19%に低迷していた。同結婚式の模様は世界の20億人が見たとされているが、米業界誌「マルチ・チャンネル」は過大評価だった可能性がある、と指摘している。

 

オバマ大統領就任式以来の取材態勢で臨んだ米テレビ各社にとって、若干期待はずれの結果となったが、それでも米テレビ界人気ナンバーワンを誇るNBCネットワークの朝の報道・情報番組「トゥデー」は2000年以来最高となる平均視聴者数960万人を獲得。ABCネットワークのライバル番組「グッドモーニング・アメリカ」も同865万人と過去20年で最高の視聴者数を得るなど、一定の成果を上げた。

 

ニュース専門局ではCNNが健闘し、平均視聴者数は166万人に達した。これにFoxニュース・チャンネルの155万人、MSNBC629000人と続いた。

 

ちなみに、1981年に行われたチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式の模様は、米3大ネットワークが中継したが、このときの平均視聴者数は1420万人だった。 <テレビ朝日アメリカ 北清>