英会話必須条件に広告主も反発


英語が出来ない選手は出場停止も辞さないとした米女子プロゴルフ協会(LPGA)の決定に広告主などから批判が噴出したが、LPGAは5日、この決定を撤回すると発表した。LPGAが先に出した決定とは、来年から同ツアーをベース(2年以上在籍)に活躍している選手に対し、英会話テストを実施、基準に達しない場合は出場停止にするというもの。広告業界専門誌「アドバタイジング・エイジ」によると、LPGAツアーの一つ「ステート・ファーム・クラッシック・トーナメント」のスポンサーでLPGAの総合スポンサーでもある米保険会社大手が、「今回の決定には唖然とさせられた」などとLPGAを批判、LPGAに再考を呼びかけていた。もし応じない場合はLPGAツアー・スポンサーを撤退する意向を示していた。

また、ニューヨーク・タイムズ紙は社説で、大リーグのヤンキースで活躍する松井秀喜選手などを例に挙げながら、「選手に求められているものは、スポーツ能力であり、出身国や語学力ではない。これまで女人禁制をしくカントリー・クラブなどに差別を受けてきた女性ゴルファーを代表するLPGAが差別的ルールを押し付けるのは、不快なばかりか、自己破壊的な行動だ」と厳しく批判していた。

これに対し、LPGAの副コミッショナー、リバ・ギャロウェイ氏はニューヨーク・タイムズ紙に、「選手はコース上ばかりでなく、コース外でも秀でたパフォーマンスが求められている。トーナメントのスポンサーやファンとの良好な関係が肝要で、英語で効果的にコミュニケートできることが重要だというのがLPGAの考え方だ」と説明していたが、各方面からの批判に屈した格好となった。

ちなみに、LPGAツアーに参加する26カ国120人余りの外国人選手のうち、45人が韓国出身。すでにゴルフ殿堂入りが決まっている朴セリ選手はゴルフ専門誌「ゴルフウィーク」に、「優勝出来たときに、英語でスピーチすることが望ましい。ある程度の英語力を求められることには同意する」と語っている。