薄型テレビの出荷台数が2億2800万台に

米調査会社ディスプレーサーチはこのほど、全世界の10年における薄型テレビ出荷台数を、1000万台上方修正し、2億2800万台に達するとの見通しを発表した。このうち液晶テレビは、3次元立体(3D)対応型や、バックライトに発光ダイオード(LED)を採用したテレビなどに後押しされ、前年比24%増となる1億8000万台を超えるとの見通しを示した。プラズマテレビは、前年比6%の増加に転じ、10年の出荷台数は1500万台強になるとみている。09年の出荷台数は前年比2%の減少だった。


薄型テレビの売れ行きが好調な一方の理由として、価格の低下が挙げられているが、同社の調べによれば、09年の液晶テレビの平均価格は前年比24%も下回った。過去最大の下げ幅だという。ただ、今年は、大型テレビ人気が盛り返すことや、LEDテレビの普及が高まることが見込まれており、値下がり率は鈍る傾向で、液晶テレビの価格が昨年比5%減、プラズマテレビは10%の減少程度に留まるとしている。


一方、同社では今年の3D対応型テレビの出荷台数を120万台と推定。2013年までには1560万台にまで急増すると予測している。ちなみに、09年の3Dテレビ出荷台数は20万台としている。


ただ、ディスプレーサーチ社によれば、3D対応型のテレビ購入者は、2Dモードで番組を視聴する人が大半で、3D映像を視聴しようと試みるユーザーは当面、ごく少数に留まる模様だ。
ちなみに、別の調査会社iSuppli(アイサプライ)が3月上旬に出した予測では、世界の3D テレビ市場は、今年には420万台に達し、5年後に7800万台までに急拡大すると見ている。


米国では3D映像技術を駆使したSF大作映画「アバター」が空前のヒット作になったほか、その後公開された「アリス・イン・ワンダーランド」の3D版が大ヒットし、テレビも、男子ゴルフの今季メジャー第1戦「マスターズ」の試合の模様が3D 放映されるなど、ちょっとした3Dブーム到来となっている。