過去10年のメディア技術革新ベスト10


米広告専門誌「アドバタイジング・エイジ」は、過去10年に起きたメディア関連の技術革新で最も重要だったものの筆頭にブロードバンド(高速大容量)通信の普及を挙げている。ブロードバンド普及をめざす非営利団体「Broadband Forum」によれば、1999年末にはわずか1%だった米国内のブロードバンド接続世帯数が2009年の第2四半期には75%にまで拡大。「ブロードバンドなしでは、動画投稿サイトや動画広告などの登場がありえなかった」としている。「ブロードバンドの普及率が10%増加すれば、先進国のGDP(国内総生産)1.2%増に寄与する」との推定も披露している。


また、1999年に登場したグーグルを挙げ、今日250億㌦に成長した世界の検索市場の牽引車になったとしている。検索連動型の広告については、「広告会社やメディア企業に、広告への新しいアプローチを促した」と評価している。


ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)については、「マーケティング担当者や社会学者ばかりでなく、経済学者にも、生活者の習慣や動向を探る上での貴重なツールを提供した」と評価、「口コミを超える威力をも持っている」とも指摘している。


さらに、HDD内蔵型のデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の普及を挙げ、「かつては、テレビのリモコンやビデオ・カセット・レコーダー(VCR)がテレビの存続を脅かす新しいテクノロジーとして捕らえられたが、DVRがこれらを上回る存在になった」「DVRを利用し、好きな番組を好きな時に見る視聴者が急増し、調査会社ニールセンの視聴率測定方法を変えさせるほどのものになった」と、その威力を強調している。


その他、アップル社のスマートフォン「iPhone(アイフォ)」、簡易ブログ「ツイッター」、ナビゲーション(GPS)、インターネット上の動画やゲームなどを扱う画像フォーマット「Flash(フラッシュ)」などがベスト10入りした。