選挙後はFoxニュースに勢い


史上初となる黒人候補、バラク・オバマ氏(民主党)を次期大統領に選らんだ米国で、保守系のニュース専門局Foxニュース・チャンネル(FNC)が元気だ。選挙があった11月4日の翌週、FNCはプライムタイムの平均視聴者数249万人を獲得、ニュース専門3大局(FNC、CNN、MSNBC)の中でトップの座についた。選挙があった前週に同局が記録した平均視聴者数354万人には及ばなかったものの、前年同期比40%増と、通常の週に比べ大健闘した。

業界誌メディアウィークは、毎晩8時から放送されているトーク番組「ザ・オライリー・ファクター」が相変わらずの人気で、同番組の高視聴率が同局のプライムタイム全体を支えている、と分析している。同番組の司会者ビル・オライリー氏はケーブル局内で保守派キャスターとして民主党批判の急先鋒的存在。FNCが同週に獲得した視聴者数は、ベーシック・チャンネル全体でもスポーツ専門局ESPN(同343万人)やドラマ専門USAネットワーク(同261万人)に次ぐ第3位にランクされるものだった。

ライバル局CNNやMSNBCがこの週もオバマ次期大統領の組閣作業などに各番組の大半を費やしているのに対し、FNCのオバマ関連報道はその約半分ほど。選挙報道にあきた視聴者がFNCにチャンネルを合わせた可能性もある。

一方、選挙当日の開票特番が開局以来最大級の視聴率を記録し、3局中トップだったCNNは、同週のプライムタイム平均視聴者数が前週比58%となる138万人に落ち込んだ。3局中、万年最下位のMSNBCは昨年同期比143%増の131万人を獲得、目下飛ぶ鳥を落とす勢いでCNNを追い上げている。