選挙用CMが一日100万㌦突破


「選挙向けテレビCMに投入される費用が一日当たり100万㌦の大台を突破」。広告業界専門誌「アドバタイジング・エイジ」がこのほど掲載した記事の見出しだ。2008年11月の米大統領選挙の予備選は1月3日のアイオワ州党員集会を間近に控え、共和・民主両党の候補者の選挙活動が過熱している。アイオワ州やこれに続くニューハンプシャー州(1月8日)は小さな州だが、緒戦に勝利を収めれば、残りの予備選を有利に進められるとあって、各候補は全力投球の構えだ。

米国初の女性候補、ヒラリー・クリントン氏はアイオワ州とニューハンプシャー州だけで、地元テレビ局に支払ったCM料金は一日当たり27万5,000㌦(約3,025万円)。クリントン氏とつばぜり合いを演じている黒人候補、バラク・オバマ氏は同2州に加え、南部のサウス・カロライナ州(1月26日)を合わせ、約17万㌦(約1,870万円)を投入しているという。

共和党候補も、前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏はアイオワ州、ニューハンプシャー州など4州に一日25万㌦、前ニューヨーク市長のルディ・ジュリアニ氏やジョン・マケイン上院議員もニューハンプシャー州を中心にそれぞれ15万㌦規模のテレビCM枠を購入している。

アドバタイジング・エイジ誌によれば、全候補者が費やす一日当たりのCM料金が100万㌦を初めて超えたのが12月10日。今後も増え続け200万㌦(約2億2,000万円)超えも視野に入ってきた模様。米調査会社TNSメディア・インテリジェンスは、今回の大統領選挙でテレビCMに投入される選挙資金は約26億㌦(約2,860億円)にも上り、前回2004年の17億㌦を大幅に上回る勢いだ。テレビ局にとっては思いがけない収入が転がり込む幸運な年となりそうだ。