ABCワイプアウト、視聴率好調で追加オーダー


米テレビ業界は夏休み特別編成期間に突入しているが、ABCネットワークのリアリティー番組が好調だ。話題の番組は、奇想天外かつ困難な障害物をくぐりぬけ一番早くゴールインした人に5万㌦(約475万円)の賞金が与えられる競争ゲーム番組「Wipeout(ワイプアウト)」。今年は5月27日に第1回目がスタートしたが、平均視聴者数800万人を魅了するヒット番組になっている。


番組の人気の秘訣について、ABCネットワークで特別編成などを担当するビッキー・ダマー上級副社長はニューヨーク・タイムズ紙に、「人がモノから落ちる様は理屈なしにおもしろいからではないか」と説明している。同番組のエクゼクティブ・プロデューサーのマット・クニッツ氏によれば、「セックスや暴力、さらにはみだらな言葉などが登場しない、家族そろって楽しめる番組であること」も人気を博している重要な要素。ダマー氏は、「74歳になる私の母と9歳の甥がいっしょに番組をみて、笑い転げている」ことを紹介している。ABCでは同番組をどたばた喜劇と位置づけているようだ。


今年で2回目となる同番組は、毎週水曜日午後8時から放送されているが、土曜日午後8時から再放送もされている。ABCは同番組の好調さを評価し、早くも来年以降2年間の放送を決定した。

ところで、TBS(東京放送)は同番組が、TBSの「風雲!たけし城」や「SASUKE」、「KUNOICHI」と番組コンセプトや演出方法が酷似しており,著作権侵害に当たるとして、2008年10月、ABCと同番組制作会社エンデモルUSAを相手取り、番組の差し止めと損害賠償を求め、カリフォルニア連邦地方裁判所に提訴している。