米娯楽・メディア企業大手ウォルト・ディズニーはこのほど2012年10-12月期の決算を発表、純利益は映画部門と放送部門の業績があまり芳しくなかったことから前年同期比5.6%減となる13億8000万㌦。売上高は5.2%増113億4000万㌦で、増収減益となった。
放送部門の足を引っ張ったのがケーブル局。家族向けのディズニー・チャンネルなどは好調だったものの、スポーツ専門局ESPNが、NBA(米プロバスケットボール協会)やNFL(米プロフットボール・リーグ)関連の番組制作予算などが膨らんだため、ケーブル局群全体の営業利益は前年同期比2%減少となる9億5200万㌦となった。
地上波テレビ放送の分野は、ABCネットワークの番組視聴率が好調だったことから広告収入などが増加、同部門の売上高は同6%増15億㌦。営業利益は同16%増となる2億6200万㌦だった。このため、放送部門全体の売上高は同7%増となる51億㌦。営業利益も同2%増となる12億1000万㌦となった。
映画部門は、『リンカーン』や『モンスターズ・インク3D 』の宣伝費などが大きな負担になったほか、特にDVD販売の不振が目立った。『ライオン・キング』がヒットし、低予算で制作された『カーズ2』のDVD販売やキャラクター商品の売り上げが好調だった前年同期に比べ同季は『シンデレラ』などが振るわなかったことなどが大きな反動となっている。同部門の売上高は5%減となる15億㌦。営業利益は43%減少となる2億3400万㌦だった。
ただ、映画部門については、ディズニーのCEO(最高経営責任者)ロバート・アイズナー会長が、昨年買収した映画会社ルーカスフィルムのもと、スターウォーズの続編制作とスターウォーズのキャラクターを主人公にした新作を制作することを発表。投資家の間から好感と期待感をもって受け止められている。
さらに、明るい材料となったのが、テーマパーク・リゾート部門とインタラクティブ・メディア部門。テーマパークは入場者数が増大するなど、売上高は前年同期比7%増の34億㌦。営業利益も同4%増となる5億7700万㌦を計上した。また、インタラクティブ・メディア部門はビデオ・ゲームが好調で、16四半期連続で赤字となっていたが、今回は900万㌦の営業利益を記録した。
キャラクター商品販売も、日本市場におけるディズニー携帯電話販売が大きく貢献し、売上高は7%増10億100万㌦。営業利益も11%増となる3億4600万㌦となった。