米テレビ界で年4回実施されるプライムタイム番組視聴率特別調査期間「スイープ」の2月の部が終了した。地上波テレビ4大ネットークの結果を見るとCBSが広告主が重視する18-49歳層視聴率と世帯視聴率双方を抑え2冠王に輝いた。CBSがスイープで18-49歳層視聴率王に輝いたのは98年以来15年ぶりの快挙だ。同期間中に放送されたNFL(米プロフットボール・リーグ)王者決定戦「スーパーボウル」とグラミー賞(米音楽会最高の栄誉)受賞式中継番組の高視聴率が大きく寄与した。
CBSの18-49歳層における平均視聴率は前年同期比46%増となる4.3%(シェア12%)。CBSに大きく水をあけられ2位となったのがABCで同4%減2.2%(シェア6%)。これにわずかの差でFoxが同22%減少となる2.0%(シェア6%)で3位だった。シーズン前半は破竹の勢いでトップを走っていたNBCは同社最低記録となる1.2%(シェア3%)、なんと昨年同期比66%減少の大転落となった。CBS以外はすべての社が前年の視聴率を割り込んでいる。NBCは、4大ネットワーク中最下位に終わったばかりか、スペイン語放送の「Univision(ユニビジョン)が獲得した視聴率1.5%にも及ばなかったことが特筆される。ちなみに、ユニビジョンがスイープで4大ネットワークの一角を崩したのは初めてのこと。
世帯視聴者数のカテゴリーを見ると、CBSが平均視聴者数1546万人 でトップ。これにABCの732万人、Foxの610万人と続き、NBCはわずか396万人にとどまった。
ところで、2月スイープを含み、ミッドシーズンにおける4大ネットワークの不振ぶりには目を覆うものがある。NBCは、新番組を次々に打ち切ったが、中でも1本400万㌦の大型予算を投入し鳴り物入りでデビューさせたブロードウェイ・ドラマ『Smash(スマッシュ)』が3月初旬に18-49歳層の視聴率が0.7%を記録、平均視聴者数260万にとどまるなど危機的状況が続いている。3月後半から再登場する人気ドラマ『レボリューション』と大ヒット番組となっているオーディション番組『ヴォイス』に起死回生を託したいところだ。
他社を見ても、ABCが大型スリラー・ドラマ『Zero Hour』をたった3回の放送で打ち切り。向かうところ敵なしの人気番組だったFoxのオーディション番組『アメリカン・アイドル』も大スランプ。唯一、話題作となっているのがFoxのサスペンス・ドラマ『フォローイング』ぐらい。同番組は人気映画俳優ケビン・ベーコンの出演に支えられている。