ニュース視聴はテレビ・タブレットを併用

デジタル時代において消費者はどのような手段でニュースを見ているのか。英国の公共放送BBC傘下のBBCワールド・ニュースはこのほど、世界の様々な国々を対象に過去最大規模の調査を実施した。その結果、ニュースはテレビ(受像機)で見ると答えた人が群を抜いて多いことが判明した。各機器利用時間に占めるニュース視聴時間を見ると、「視聴時間の42%をニュースに費やしている」と答えたテレビ利用者が、パソコンの29%、高機能携帯電話(スマートフォン)18%、タブレットの10%と続いた。また、ニュースを最もよく見る層は広告主が重要視する2534歳層であることも浮き彫りになった。

 

デジタル機器の中で大画面の特性を活かしてテレビ替わりに使われているとされるのがタブレット型情報端末だが、「テレビを見ながらタブレットでニュースを見るようになった」と答えた人が、同ディバイス保有者の83%に上り、5年前に比べ増えていることも分かった。


一方、それぞれの機器の利用時間をみると、タブレットやスマホ利用は週日の午後1時にピークに達するが、テレビ視聴は午後5時以降に集中していることも分かった。プライムタイムに向け午後7時以降のテレビ利用は、デジタル・ディバイス利用の倍以上となっている。

 

これらの結果を受けて、BBCグローバル・ニュース部門の最高経営責任者(CEO)ジム・イーガン氏は、「タブレットやスマホの普及がテレビ視聴に悪影響を与えているとの憶測があったが、デジタル・ディバイスが、かえってテレビ視聴を助長していることが判明した」と分析している。


ちなみに、ニュースの中で最も高い関心が寄せられているのが全国ニュースで全体の84%、海外ニュース(82%)、ローカル・ニュース(79%)、経済ニュース(61%)、スポーツ・ニュース(56%)、エンターテイメント(43%)を抑えトップだった。

 

ところで、広告効果を見ると、テレビ視聴者の5人に一人が過去1か月の間にCMを見て商品を購買したと答えたが、タブレットやスマホ利用者も7人に一人がモバイル広告を見て商品を購買した、と答えており、モバイル・ディバイスがテレビに迫っていることも明らかになった。

 

BBCワールド・ニュースの調査は米国をはじめ、オーストラリア、シンガポール、インド、アラブ首長国連邦、ドイツなど8ヵ国のタブレットやスマートフォン所有者約3600人を対象に実施された。

<テレビ朝日アメリカ 北清>