視聴率を左右するツイート

インターネット上で複数のユーザーが会話のようなコミュニケーションをとることができる簡易ブログ・サービス「ツイッター」を使った“つぶやき”が米テレビ番組の視聴率を左右していることが明らかになった。米ニールセン社の調査結果によれば、2012年に米国でテレビ番組についてツイートした人は3200万人に上り番組関係者や広告主にの関心を誘っている。米メディア業界内からは「テレビ番組のCM料金を決める際の参考情報になる」などの声も上がっている。調査に当たった関係者は、「ツイートと番組視聴率に何等かの関係があることは分かっていたが、今回の調査で両者の関係をはっきり測定することができた」と述べている。

同調査結果から、特定の番組についてツイートの数が多いほど視聴率が上がることが判明。新番組プレミアの場合、1834歳層のツイートの量が8.5%上昇すると視聴率が1%上昇。シーズン半ばでは同層のツイート量が4.2%増えると視聴率1%アップに貢献することが分かった。

 

3549歳層を見ると、新番組のプレミア版視聴率を1%押し上げるためには、ツイートの量が14%上昇することが必要。シーズン半ばの視聴率1%アップには8.4%増とほぼ倍のツイート量が必要で、ツイッターの番組視聴率に与える影響力は若者視聴者によるものが勝っていることが明確になった。

 

こんなツイッターの威力を逆手に取った動きが出ている。ツイッターはこのほど、若者向け人気チャンネルMTVなどを傘下に置く米メディア大手バイアコムやNBCユニバーサルなど大手メディア企業に対し、番組のハイライト版などをツイッターに開放することを提案。テレビCM型のビデオ広告を挿入し、売上を折半する案などを持ち掛けている模様。「両者の合意は間近い」(経済情報ニュース、ブルームバーグ)といった観測も出ている。


一方、今回の調査では、テレビを見ながらスマートフォンやタブレット型情報端末を利用する、いわゆるマルチ・タスキング状況についてもデータが上がった。それによると、テレビを見ながらソーシャルメディア・サービスを利用する人は、テレビだけを見ている人に比べ、番組への関心度が高いという。また、CMへの反応も、マルチ・タスキングをしている視聴者のほうが敏感だという。

 

ニールセンによれば、米国ではスマホやタブレット利用者の40%が、テレビを見ながらソーシャルメディア・サービスを利用している。

<テレビ朝日アメリカ 北清>