米テレビ2012-13年シーズンが5月下旬で終了した。地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)のプライムタイム枠(午後8-11時)の成績を見ると、CBSネットワークの好調ぶりが突出したシーズンとなった。注目すべきは、かつて視聴者平均年齢が高かったため、シルバー・ネットワークなどと揶揄されたCBSが、広告主が重要視する若者視聴者層(18-49歳)で平均視聴率ナンバーワンに輝いたことだ。
CBSが同層で視聴率王になったのは21年ぶり。過去11年間で10度にわたり王冠を獲得している世帯視聴者数でも勝利、堂々2冠王を射止めた。長寿番組『NCIS~ネイビー犯罪捜査班』などが貢献した。
ニールセン社の速報によればCBSの18-49歳層におけるシーズン平均視聴率は2.9%。過去8年間同層トップの座を独占してきたFoxネットワークは、看板番組『アメリカン・アイドル』(オーディション番組)の人気が下降線をたどったことが響き、2.5%で2位。これにNBCの2.4%、ABCは2.2%で最下位に甘んじた。
世帯視聴者数のカテゴリーでは首位CBS(平均1185万人)にABCが785万人で2位につけたが、その差は300万人。これだけの大差がついたのは24年ぶりのことだ。そのほか、Foxは706万人で3位、NBCは696万人で最下位となった。
番組番付を見ると、18-49歳層でナンバーワン番組となったのがNBCのNFL(プロフットボール・リーグ)中継番組『Sunday Night Football』。シーズン平均視聴率は7.9%だった。これにCBSのコメディー番組『The Big Bank Theory』6.2%、NBCのオーディション番組『The Voice』(ザ・ボイス)(月曜版)5.1%、ABCのコメディー番組でエミー賞受賞作『モダン・ファミリー』4.9%、『アメリカン・アイドル』(水曜版)の4.6%などと続いた。ちなみに、『ボイス』と『アメリカン・アイドル』(各週2回)を合わせトップ10中に4つのオーディション番組がランクされている。
一方、世帯視聴者数で最多数を獲得したのがCBSの『NCIS~ネイビー犯罪捜査班』(平均視聴者数は2130万人)。若者視聴者層でナンバーワンだった『Sunday Night Football』(NBC)は2100万人で2位だった。3位には『The Big Bank Theory』(CBS)(1870万人)、4位にNSICロサンゼルス編(CBS)(1730万人)、5位にはCBSの『Person of Interest』(1610万人)がランクされ、CBSのドラマ番組がトップ5中4番組を占めた。
ところで、4大ネットワーク全体を見ると、若者層で視聴率が前シーズン比10%減、世帯視聴者数も7%減と不調なシーズンだった。