米テレビ界にとって重要なプライムタイム(午後8-11時)視聴率特別調査月間「7月スイープ」で全国向けスペイン語放送Univision(ユニビジョン)が快挙を成し遂げた。広告主が重要視する18-49歳層の視聴率競争で4大テレビネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)(英語放送)をおさえトップの座を射止めたのだ。スイープでスペイン語ネットワークが4大ネットワークを超える視聴者数を獲得したのは米テレビ史上初めてのこと。
米視聴率調査会社ニールセンによれば、ユニビジョンの同月における同層プライムタイム平均視聴者数は181万人。150万人を下回ったCBS、Fox、NBCネットワーク、115万人に留まったABCを尻目に堂々首位となった。ユニビジョンはニューヨーク・タイムズ紙に「Numero Uno」(新しいナンバーワン)」と大きく掲げた全面広告をうち、祝賀ムードに湧いている。同ネットワークのセサ・コンデ社長はAP通信に、「ユニビジョンばかりかヒスパニック・メディアにとって画期的な出来事になった。また、ヒスパニック・コミュニティーの米国内における影響力が拡大していることを意味するものだ」と喜びを爆発させている。
ちなみに、ヒスパニックとはスペイン語を母国語とする中南米出身の住民グループ。人口増加率が著しく、すでに黒人を超え米国最大のマイノリティー・グループを形成している。
7月は夏休み期間中とあって4大ネットワークは再放送番組を編成する傾向が続いているが、新番組を投入しているユニビジョンが視聴者を引き寄せた要素もありそうだ。加えて、同社のバラエティー番組『Sabo Gigante』(巨大な土曜日)や恋愛ドラマ『Amores Verdaderos(真の愛)』などの人気番組が昨年同期比16%の視聴率上昇を記録するなど、活気に溢れている。
米広告会社ホライゾン・メディア調査部門の責任者で米テレビ業界に精通しているブラッド・アドゲイト氏は、「向う数年以内にユニビジョンがシーズンを通した(18-49歳層の)プライムタイム王にならなければ、そのほうが驚きだ」と述べ、ユニビジョン人気が今後も拡大を続けるとの見通しを示している。
一方、同スイープ月における総世帯視聴者数のカテゴリーでは、CBSが平均視聴者数530万人でトップ。これに、NBCの470 万人、ABCの361万人とつづき、359万人を獲得したユニビジョンはFox(340万人)をおさえ4位となった。
スイープは毎年2月、5月、7月、11月の4回実施される。