旧ニューズ・コーポレーションから分離された米メディア娯楽企業「21世紀フォックス」の4-6月期の売上高は傘下の放送部門に支えられ前年同期比16%増となる72億1000万㌦となった。損益は3億7100万㌦の赤字となったが、巨額の評価損を計上した前同期の赤字15億㌦に比べ赤字幅は縮小した。
好調だった放送部門を見ると、地上波テレビFoxネットワークが看板番組『アメリカン・アイドル』の視聴率低下などが響き広告収入が7%減少したため売上高は前年をわずかに下回る11億㌦。営業利益は同9%減の2億1300万㌦と低調だった。存在感を示したのがニュース専門局「Fox ニュース・チャンネル」や若者向けチャンネル「FXネットワーク」などケーブル局群。CATV(ケーブルテレビ)や衛星放送などペイテレビ事業者から徴収する配信料が同9%も増加するなど、売上高は16%増29億5000万㌦。営業利益は25%増となる10億8000万㌦を記録した。
ウォルト・ディズニーの同期決算は、不調だった映画部門をテーマパーク部門と放送部門が補完するかたちで、売上高は約4.5%増となる116億㌦。純利益は前年同期比0.9%増18億4700万㌦だった。
健闘した放送部門を見ると、地上波テレビABCネットワークの売上高は前年同期比ほぼ横ばいの15億㌦だったものの、グループ全体のけん引役となっているスポーツ専門局「ESPN」に加え、ドラマを中止とした総合編成チャンネル「A&E」や子供向け「ディズニー・チャンネル」などケーブル局群の広告収入とペイテレビからの配信料収入増が相まって売上高は同8%増となる39億㌦となった。
また、好調だったディズニーランドなどテーマパークの売上高は7%増37億㌦だった。
ただ、昨年ヒットした『アベンジャーズ』に見合うヒット作がなかった映画部門の売上高は2%減少となる16億㌦に留まった。
一方、CNNなどケーブル局群からなる放送部門や映画会社などを傘下に置くタイムワーナーの同期決算は売上高が10%となる74億3500万㌦。純利益は市場の予想を上回る87%増となる7億7100万㌦を記録した。
人気映画スーパーマン・シリーズ最新作「マン・オブ・スティール」などのヒットで好調だった映画部門の売上高は前年同期比13%増、営業利益は35%増となる1億8100万㌦と貢献した。また、放送部門は番組視聴率が好調で広告収入が増えたほかペイテレビからの配信料収入も4%増と好調で、売上高は同7%増38億㌦、営業利益は31%増13億㌦だった。