“欠かせないテレビ”の筆頭に4大ネットワーク

米消費者にとって“欠かせないテレビ放送”の上位に地上波テレビネットワークがそろって顔を並べた。カナダのトロントに本拠地を置く調査会社「ソルーションズ・リサーチ・グループ(SRG)」が2007年以来毎年実施している調査で明らかになったもので、地上波4大ネットワーク(ABCCBSFoxNBC)がトップ4を独占。新興ケーブル局の台頭が言われて久しい米テレビ業界だが4大ネットワークのブランド名が米消費者の心をしっかり掴んでいることが浮き彫りになった。

 

 

トップ4の順位を見るとウォルト・ディズニー傘下のABCネットワークが僅差でCBSネットワークをおさえ首位。これにFoxネットワークが3位、NBCネットワークが4位に選ばれた。

そして、4大ネットワークに続いたのがスポーツ専門ケーブル局ESPN(ウォルト・ディズニー傘下)。米テレビ業界のキラーコンテンツとなっているスポーツ番組の様々な独占放送権を保有する同チャンネルの存在感が改めて印象づけられたかたちだ。地上波ネットワークテレビ、ケーブル局双方ともウォルト・ディズニー傘下のネットワークが知名度ナンバーワンにランクされたことになる。ケーブル局の人気度を見ると、6位に入ったのがヒストリー・チャンネル。高視聴率を獲得し話題をまいた『The Bible(ザ・バイブル)』や『Vikings(バイキング)』などの番組のおかげで、昨年6位だったドキュメンタリー専門局ディスカバリー・チャンネルを追い抜いた。

また、久方ぶりとなるヒット作『Games of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)』(成人向けファンタジー)やコメディー番組『Girls(ガールズ)』を得たタイムワーナー傘下の有料チャンネルHBO3年ぶりとなるトップ10入りを果たした。9位にはコムキャスト傘下の総合編成チャンネルUSAネットワークが、10位には公共放送PBSがランクされた。

 

いまや米テレビ界を席巻するほどの人気番組になったホラー・ドラマ『The Walking Dead(ウォーキング・デッド)』や60年代のニューヨークの広告業界を描いた人気ドラマ『Mad Men:マッドメン(邦題)』を放つAMCは昨年の33位から一挙に18位にのし上がった。SRGでは、「たったひとつでも大ヒット番組が生まれれば、テレビネットワークの認知度が増すことが改めて実証された」と分析している。

 

SRGは今春、米国の12歳以上1400人の生活者を対象にトップ74のネットワークテレビ名を挙げ意識調査を実施した。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>