モバイルのネットアクセスがパソコンを凌駕

インターネット利用の半数以上がパソコンや米アップル社製コンピューターではなく多機能携帯電話(スマートフォン)やタブレット型情報端末を使ったものであることが明らかになった。米調査会社コムスコア(comScore)とモバイル広告を手掛けるジャンプタップ(Jumptap)社による合同調査の結果によればインターネット利用の51%がスマホやタブレッ、いわゆるモバイル・ディバイスによるもので、コンピューター経由を上回っている。しかも、利用時間が急速に伸びているのが特徴で、20102月におけるモバイル・ディバイス経由が4,518分だったのに比べ132月は8,908時間とわずか3年でほぼ倍増している。

モバイル利用の内訳をみると、スマホによるネットへのアクセスが39%、タブレットは12%とスマホ利用が圧倒的に多い。ただ、各ディバイスの保有数を比較すると134月の時点でタブレット保有数が前年同月比59%増と、スマホの22%、パソコンの1%をおさえ急上昇中だ。

 

また、同調査ではネットへのアクセスに使うディバイスが年齢層や性別によって異なることも分かった。2549歳の女性ではほとんどがモバイル・ディバイス利用者で、パソコンは使わないと答えた人が14%だった。一方同年齢層の男性では、インターネットを閲覧する際にモバイル及びパソコン両方使うと答えた人が74%にものぼっており、同調査では「クロス・プラットフォーム層」と名付けている。

 

ところで、50歳以上の熟年層では40%がネット利用にはデスクトップ型コンピューター以外は使わないと答えていて、男女の別をとわず同層の間でモバイル・ディバイス利用者が極端に少ないことが浮き彫りになった。

 

そして、ネット上のコンテンツによって利用するディバイスが異なることも明らかになった。音楽のダウンロードやストリーミングの77%、天気情報の55%、ゲームの48%がスマホを使ってアクセスしている一方で、ビジネスや金融情報、スポーツ、食べ物関連の情報にはパソコンが使われている。タブレットでは、一番利用されているのがゲームで、これに音楽ストリーミング、食べ物情報などと続いている。

 

さらに、各ディバイスが利用される時間帯にも違いがあることも浮き彫りになった。モバイル・ディバイスの利用がテレビ放送のプライムタイム(午後811時)でピークに達する一方、パソコン利用は就業時間終了間際に集中している。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>