米消費者の圧倒的多数(55%)が「ニュースはテレビでチェックする」ことが米有力調査会社ギャラップの調べで浮き彫りになっているが(7月29日号既報)、テレビの中でもローカル局や地上波テレビネットワークが制作するニュース番組にチャンネルを合わせている人が多いことが明らかになった。
ニールセン社のデータ(13年2月)を米調査会社ピュー・リーサチ・センターが分析した結果、米成人のおよそ四分の三に当たる71%が過去1ヵ月の間に「ローカル局のニュース番組を見た」と答えた。「地上波テレビネットワークのニュース番組を見た」人も65%に上っており、24時間ニュース専門ケーブル局の38%に大きく水をあけている。
ただ、ケーブル局のニュース番組にチャンネルを合わせる人の視聴時間は1日1時間以上(72分間)と、地上波テレビのニュース番組ファンより倍以上の時間を割いていることも判明。ケーブル局がニュースにより関心のある視聴者を引き付けていることが分かった。また、地上波テレビのニュース番組を頻繁に見る人の中にもケーブル局の番組を見る人もいるが、地上波テレビ放送のニュース番組ファンは地上波に留まる傾向が強いことも浮き彫りになった。 ネットワークテレビ視聴者の90%が「ローカル局の番組も見る」と答えたほか、ローカル局視聴者の82%が「ネットワーク番組も見る」と答えており、ネットワークとローカルニュース双方を見る人は全体の58%に上った。
ローカル局とケーブル局双方を見ると答えた人は31%、ケーブル局とネットワークは29%だった。
ところで、米国のニュース専門局は保守的なFoxニュース・チャンネル(FNC)とリベラル派のMSNBC、そして中道的と言われるCNNの3大局に色分けされている。しかし、FNCをよく見る人の44%がCNNやMSNBC(28%)を見ると答えている一方で、FNCのみ見ると答えた人は全体の24%、CNNのみが23%、MSNBCが15%で、特定のチャンネルに固執する人がそれほど多くないことも分かった。
同調査ではまた、家庭でデスクトップ型及びラップトップ型コンピューターを使ってニュースをチェックすると答えた人が全体の38%だったが、平均利用時間は1日90秒。一般的には、インターネット経由でニュースを見る人(家庭内)が限定的であると結論づけている。なお、多機能携帯電話(スマホ)やタブレット型情報端末でニュースをチェックする人は含まれていない。