スーパーボウルCMが完売

 NFL(米プロフットボール・リーグ)王者決定戦スーパーボウルは来年22日、ニュージャージー州で開催されるが同試合の中継番組中に放送されるCM(コマーシャル)枠が完売されたことが明らかになった。同試合の模様をプライムタイムで全国向けに生中継する21世紀フォックス傘下の地上波テレビFoxネットワークがこのほど発表した。30CMは平均400万㌦で取引された模様で、380万㌦の値が付いた今年の大会(CBSネットワーク放送)を5%強上回る活況ぶり。枠によっては450万㌦の値がついたという報告もあり、タイムシフト視聴数の上昇やインターネット上の番組配信人気を懸念する米放送界に自信を取り戻させるニュースとして捉えられている。ライブイベントの重要性の確認とマス市場に到達できる究極のプラットフォームとしての地上波テレビ放送を改めてアピールする機会にもなりそうだ。

Foxではまた、比類のないスーパーボウルの威力をグループ全体に活かす工夫もしている。同社では今夏、米テレビ界で絶対的な人気を誇るウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門局ESPNに対抗すべく、スポーツ専門局「Fox Sport 1FS1)」を立ち上げたが、FS1のスポンサーになっている広告主には有利な条件でスーパーボウルCMを販売する“パッケージ販売”を実施したという。

 

また、新生FS1のプロモーションを目的に、同チャンネルではスーパーボウルの試合前後に関連番組を数多く編成する予定だ。

さらにFoxではスーパーボウルのデジタル配信にも弾みを付け、放送外のCM収入につなげたい考えだ。CBSCBSSports.com)に続いて全試合の模様をネット上でサイマル放送するほか、試合前後のイベントを含め終日インターネット放送する予定(FoxSports.com)。

CBSSports.comには1000万人がアクセスしたとされているが、Foxは「米消費者はネット上での番組視聴に慣れてきた」ことを理由に、さらに多くの人がネット観戦をすると見ている。ちなみに、CBSによればネットでスーパーボウルを観戦した1000万人のうち、テレビを見ながらネットでも見た人は700万人。300万人がネットのみで観戦したと分析している。

スーパーボウルは視聴者数1億人を優に超える“お化け番組”だが、来年の試合会場は全米最大のテレビ市場ニューヨークに隣接したニュージャージー州のスタジアムで開催。通常以上の関心が集まると見られており、記録的な視聴者数に達する可能性が高いとする声も上がっている。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>