米テレビ界はシーズン前半を終え、1月から新たな番組がスタートするミッドシーズンと呼ばれる中間期に突入する。そんな中、シーズン前半で最も注目された番組はケーブル局の番組だったことが明らかになった。話題の番組は、映画やドラマ専門ケーブル局AMCの超人気番組『The Walking Dead(ザ・ウォーキング・デッド)』。ゾンビ(死んだ人間)がはびこるアメリカを舞台に生存者たちがゾンビと戦いながら安住の地を求めている姿を描くホラー・ドラマだ。
デビュー後3年目を迎える番組だが、人気はしり上がり。今シーズン前半に8エピソードが放送されたが、広告主が重視する18-49歳の中でも特にターゲットにされている18-34歳層視聴者の平均視聴率が7.34%とケーブル局はもとより、地上波テレビ番組を合わせてもナンバーワン番組の座を獲得した。ニールセン社によれば、ケーブル局番組が同層で地上波テレビ番組をおさえて視聴率トップに輝いたのは初めてのこと。
昨シーズンは、地上波テレビNBCネットワークの十八番番組で無敵とされてきたNFL(米プロフットボール・リーグ)主催の試合中継番組『サンデー・ナイト・フットボール(SNF)』が同層の視聴率ナンバーワン番組だったが、今回は0.2%の僅差で『ウォーキング・デット』に首位の座を譲った。ただ、18-49歳層の平均視聴率ではSNFが8.11%とウォーキング・デッド6.62%を上回っている。
ウォーキング・デッドの記録は若者視聴者層に留まらない。スポーツ中継番組やリアリティー番組を除くドラマやコメディー番組を相手にしてもケーブル局地上波を合わせた全体の1位の座に輝いた。
ケーブル局が放送する番組別の成績を見ると、ウォーキング・デッドについだのが、ESPNが毎週月曜日夜に放送するNFL中継番組「マンデーナイト・フットボール」。これにウォーキング・デッドのスピンオフ番組「Talking Dead」などが続いた。
ところで、シーズン前半のケーブル局別の成績を見ると、プライムタイムで18-49歳層のナンバーワン局になったのがスポーツ専門局ESPN(ウォルト・ディズニー傘下)。2位にはタイムワーナー傘下の総合編成チャンネルTBSがランクされたが、AMCも主にウォーキング・デッドのおかげで3位に食い込む健闘ぶりを見せた。ちなみに、ESPNは世帯視聴率でもトップの座を射止めた。
ニュース専門局ではFoxニュース・チャンネルが独走状態。老舗のCNNはMSNBCに次ぐ3位だった。