本格普及なるか4Kテレビ

毎年恒例となっている世界最大の家電見本市「CES」が17日から、米ネバダ州ラスベガスで4日間にわたり開催された。放送業界が注目する4Kテレビ(フルハイビジョンの約4倍の解像度)は目玉商品の一つとして日韓メーカーが大きなブースを構え新製品を競い合った。4Kテレビは昨年のCESや全米放送事業者協会(NAB)主催の放送機器展「2013NABショー」などですでにデビュー済みだが、価格が庶民の手に届く範囲に下がったことから2014年を“4Kテレビ元年”と捉え、期待を寄せる向きも少なくないようだ。

ちなみに、2012年にソニーが初の4Kテレビを発表した際の値段は85000㌦。昨年のクリスマス商戦では各社のモデルが3000㌦台にまで下がっている。いまのところ不発に終わっている3D3次元)テレビにかわる次世代テレビとしても期待がかかる4Kテレビだが、米メディアは、韓国メーカーが発表した4Kテレビの中でも、画面が局面になる「曲げられる」テレビなどに注目していた。米調査会社IDCによれば、今年の4Kテレビ出荷台数は250万台(世界市場)。17年には1000万台に増える見込みだ。

4K元年に乗り遅れまいと、コンテンツ供給サイドも4K番組制作に乗り出し始めた。テレビ番組などのネット配信で会員3000万人超と人気急上昇中のネットフリックスが自社制作のヒット番組『ハウス・オブ・カーズ』の4K化を発表すればライバルのアマゾンや映画大手パラマウントなどが4K映像の供給を発表した。専用アプリや新圧縮技術を開発しテレビメーカーとスクラムを組み4K番組ネット配信を手掛けるという。

ただ、今のところ米放送局は消極的。ネットワークテレビやケーブル局を傘下に置くメディア企業大手のある幹部は、08年に実施されたHD(高精細)テレビへの移行を振り返り「HD化にともない大型の設備投資を強いられた。画面はきれいになったが、それで視聴率が上がったわけでもなし、広告料金が値上がったこともない。だまされた感じだ」と4K化に懐疑的だ。

さて、見本市の主役の家電以外では、今年はインターネット接続機能を搭載し、様々な情報やエンターテイメントをダッシュボードなどに表示できる車や自動運転ができる車など、自動車メーカーによる展示が例年になく存在感を増した。また、手首や頭など身体に装置し、フィットネス時の心拍数や消費カロリーなどを測定することのできる様々な「ウェアラブル端末」が話題になった。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>